毎週月曜日には管理職打ち合わせがあるから早目に出勤する。
朝7時15分、ARCTICA号のエンジンを始動させた。気温-13,5℃。
いつもの通り、動き出す。
年老いたクルマをいたわり、はじめはゆっくりと走る。
いつもの通り、町を抜け出す頃、ギアを5速に入れる。
速度は徐々に上がる。
いつもの通り、水温計の針が動き出してからヒーターのスイッチを入れる。
いつもの通り、水温計はゆっくり右側に振れていく。
しかし、まだ温風が出ない。
いつまで経っても冷たい風が足下に吹きつける。
「あれ??」吹き出し口に手を当てて確かめる。やはり冷風。
水温計を確かめて驚いた。
通常の位置を通り越し、右側いっぱいに振り切れそうになっているではないか!
間もなくレッドゾーンに入る。ウワッ!オーバーヒートか?
出発してから10分も走っていない。引き返すべきか?心が揺れ動く。
いや、まず落ち着こう。少し速度を落とし水温計を睨みながら走り続ける。
今のところ水温計は、レッドゾーンの手前で止まっている。
水温計が上がるのに、温風が出てこないのはヒーターに温水が回っていない、つまり冷却液が循環していないためだ。その原因は、ポンプの故障、あるいはサーモスタットの故障だろうか。冷却液が少なくてもこういう現象は起きる。
針がレッドゾーンに入らないようならこのまま走り続けよう。そして、とにかく職場に出勤し、エンジンが冷えてから点検しよう。
そう腹をくくった時、針がスーッと戻った。同時にヒーターが何事も無かったように温風を吐き出し始めたではないか。
そのようにして、とにかく無事に羅臼まで走った。
エンジンが冷えてからタンクを見てみると、冷却水がかなり減っていた。原因はこれだったのかも知れない。
さっそく補充して、帰路は何事もなかった。
福島第一発電所2号機の水温計の一つが数日前から上昇を続け、昨夜から今朝にかけては71.7℃だったそうだ。
ポンコツ寸前のクルマと原子炉を一緒にするわけにはいかないが、内部の様子を直接見ることのできない点は共通で、そのような場合リモートセンシングによってデータを集める。
計器が異常な数値を示したら、まず第一に計器に示されたとおりの異常を疑うべきだろう。
異常の原因について、「計器(温度計)の故障の可能性もある」などと(たとえ客観的にその可能性があったとしても)言うべきではない。
まず、最悪のシナリオを想定すべきではないだろうか。そして、それを隠さずに発表すべきではないだろうか。
こんなところにも、事故をいまだに反省していない東電の体質が垣間見えるように感じた。
2012年2月6日月曜日
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