理科の勉強で、生徒が突き当たる壁に「割合」がある。
たとえば密度だ。「単位体積当たりの質量」と言ってもなかなか実感できないらしい。 「1立方センチメートル当たり3グラム。じゃ、27グラムなら体積はいくら?」などと質問されると、もう脳内が瞬間的に白濁するらしい。
だが、だれもこれを嗤えない。
1kg当たり100Bq(ベクレル)というのが放射性物質を含む瓦礫の「安全」の基準なのだそうだ。
それを超していなければ「安全」だとして受け入れて処理するという自治体が増えつつある。国の圧力がそれを促している。
もう一度言う。
1kg当たり100Bqの放射性物質を含む。1トン=1000kgで100000(10万)Bqだ。100トンなら1000万Bqだ。
今日、瓦礫受け入れを決めた自治体のニュースが相次いだが、総量で何トン受け入れるのかは全く報道されていない。この表現を、悪意ある作為と断じてかまわないだろう。
その舌の根も乾かぬうちに「丁寧に説明し、理解を求める」と言う。
ふざけるな!
全然丁寧に説明していないじゃないか。総量でどれくらい受け入れるのか。放射性物質はいくらになるか。
理解を求めるなど嘘っぱちだ。力で押しつけるとハッキリいったらどうだ!
数字のトリックで、多くの人を誤魔化す。そういう連中を育てるために、全国の教師たちは、理科を教えてきたのか?もし、そうならその罪は地球よりも重い。
僕の教えた生徒たちは、割合ひとつを理解するのに大変な苦労をしている者が多かった。だが、少なくとも、数字のトリックで人目を誤魔化して、放射能をばらまく側の腹黒い人間は、いないと思う。
嬉しいことだ。
2012年3月31日土曜日
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