2013年4月25日木曜日
4月24日(火)
ソルトレイクシティで迎える初めての朝は、快晴で風もなく、どこまでも空気が澄んでいた。
標高1200メートルのところにあると聞いたが、市街地の中心部からビル越しに雪をかぶった高い山が見えていた。
この場所は基本的には砂漠地帯だが、そこに突然高い山がそびえていることで、山の裾野に肥沃な土地が広がって、人々が暮らしやすい場所となったのだろう。降水量が少なく乾燥気味の気候と山から流れてくる水によって、まるで理想郷のような土地ができることは、天山山脈の麓に広がるタクラマカン砂漠のオアシス都市トルファンに似た空気だと思った。
トルファンはユーラシア大陸の中心部にある、ソルトレイクシティはアメリカ大陸の中央にあることが共通点だから、似ていて当然かも知れない。
今日は、中学校と高校の二つの学校、広大な谷をゴミで埋め立てつつリサイクルに取り組んでいる企業の三カ所を訪問した。
最初の訪問先はレイクリッジジュニアハイスクール。
ここでは、日本の三年生にあたる生徒たちが模擬国連会議を行っていた。一人一人の生徒が世界各国の代表に扮して、国連会議の場で農業の持続性の維持について討論するという授業で、議事の運営についての協議も、議長もすべて生徒たちの手で行っていた。
次に訪れたのはリーハイハイスクール。
校内にstudent councilという生徒会に相当する組織があり、プレジデントと呼ばれる生徒会長を中心に執行部があるところは、生徒会に似ているが、50人に近い生徒が様々なの役割を分担していて、まるで行政組織のようになっており、日本の高校の生徒会よりも大学の自治会に近いように感じられた。
ラッセル先生という生物の先生が中心になり、後はスクールカウンシルの生徒が我々を歓迎してくれた。
訪問の最後は、ゴミの埋め立て場だ。
ソルトレイクシティの南にあり、なんでも規模のおおきな米国だが、10年以上にわたってゴミを埋めたてている。しかしあと17年で満杯になるので、次の計画が必要だということだった。
周辺は砂漠につながる荒れ地で、住宅や農地があるわけでもないので、ここに処理場(埋め立て処分場)をつくることへの抵抗は無いのだろう。
しかも、処理会社では、できるだけリサイクルに努めていて、それを児童生徒に普及させてゴミを減らすキャンペーンに力を入れているようだった。
しかし、乾電池もそのまま埋めていて、含まれる水銀(最近の乾電池には含まれていないものがほとんどだが)はどうするのか、と質問したら
「完全に防水しているので問題ない」という答えが返ってきた。
良い意味でも悪い意味でも、これがアメリカ的な発想なのかも知れない。
原子炉の使用済み燃料も、結局こんな発想で対処しているに違いない。それは、アメリカのような広大な国土の国で言えることであり、世界中どんな国にも当てはまることではない。
原発問題の根の一つがこの辺にあるような気がした。
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