2012年12月7日金曜日
五つの季節と牡牛座の角
いつもの年の12月のように「正しく」しばれてきた。
「根釧原野には五つの季節がある」と郷土について教える時、必ず言うことにしている。
春夏秋冬の「冬」が「雪のない冬」と「雪の冬」に分かれるのだ。11月中旬から12月末くらいまで、気温が氷点下の日が続くが雪はほとんど降らない。降っても積もるほどにはならない。
12月末、年によっては1月に入ってから、一旦しばれが緩み湿った雪がドカッと降って積もり。そこからが「雪の冬」の始まりだ。
北海道の中でもこれほどハッキリとした「5つの季節」を持つ地域はない。
ここで暮らす以上、この特性を楽しむべきだ。
雪が無く、氷点下の日々が続く季節には湿原も固く凍結するから自由に歩き回れる。
夏には入り込めなかった湿原を自由に巡り、ハンノキの洞を覗いたり、枝先に残されたカエデの実をそっとポケットに入れたりして回るのは楽しい。
雪が積もったら積もったで、スキーを履いて雪原をどこへでもいける。
手袋や帽子がなければたちまち凍傷になり、時には生命にもかかわる厳しい寒さだが、この土地でしか味わえない楽しみも多い。
しかし、今年の冬はいったいどうしたのだろう?
湿った雪が早々と降った。
その後に降った雨で、ほぼ消えてくれたが冷え込み方がまだ不十分だ。
やっと少し根釧原野の冬らしくなってきたようだ。「正しい冬」になると毎日晴天が続き、星の見える夜が続く。
今日は、仕事から帰って、星灯りだけをたよりに原野を散歩した。
牡牛座の角の延長線上に木星が来ていて、牡牛の角が二倍近く伸びていた。
なんだか特別な日のように感じられた。
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