2010年2月11日木曜日

リコール

 午前中トヨタ自動車に行ってきた。
 「Albireo」がリコールによるブレーキプログラムの修正を受けるためだ。
 いろいろと考えさせられるリコール騒ぎであった。

 ABS(「アンチロック ブレーキング システム」と言うらしい)は車輪のロックを検出し、非常に短い周期で断続的にブレーキを解除して車輪のロックを防ぐ装置だ。
 わが「ALBIREO」(プリウスだけど)は、このABSに加えて回生ブレーキが付いている。駆動用の電動機を発電機として作動させ、その抵抗で速度を抑えるものだ。今回の騒動は、この回生ブレーキとABSとの繋がりの時に遅れが生じるということだ、と理解している。実際、ブラックアイスバーンなどのきわめて滑りやすい路面で、何回かこの「空走感」を体験した。初めて体験したときは、「アレレレ?」と少し慌てたことは確かだ。だが、すぐに「こんなものかなぁ」と思い始めた。
 何しろABSなどという高級なメカニズムをもったクルマを運転したのは初めてだったから。わがファーストカー「ARCTICA」や我が家の旗艦「ARCADIA」にはABSなんて付いてない。付いているのは別のABS=(オールマニュアル ブレーキング システム)なのだ。
 そんなアナログなシステムで30年間近く冬の北海道を走ってきた身にとっては、ほんのちょっとの間の「空走感」があったとしても「おっとっと!」で済んでしまう。危険を感じるような問題ではない。

 聞けば、回生ブレーキからABSに移行する間の空白は0.06秒だというではないか。普通の人にとってそれは、ブレーキを踏む反応時間の長短よりもはるかに短いのではないだろうか。
 このことを問題にした人は、ものすごく神経過敏な繊細な人か、「クルマはブレーキペダルを踏み込んだら必ず止まるべきだ」と強く信じ込んでいる人かどちらかではないだろうか。そして、それを鬼の首でも取ったように大きく報道するマスメディアもずいぶん無責任だと感じる。

 僕は、トヨタ自動車に特別な思い入れや義理は無い。むしろ嫌いなメーカーだった。意識的にトヨタ車に乗ることを避けてきた。だが、今回の騒動は、どう考えても不公平だ。寄ってたかって弱みのあるも者を叩く、暴力性を感じている。そして、そういう社会は、とても怖いと思うのだが。

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