2010年5月24日月曜日

おごるなかれ

 昨日のこと
 日曜日、畑の手入れなどをして過ごした後、園芸資材の買い出しも兼ね中標津まででかけた。久しぶりにゆっくり過ごせたので、洋菓子とコーヒーでこのところ急速に評判の高まっている「L」という店で一休みすることにした。

 住宅街の中にあるこの店は、数年前にできたばかりで、簡素で清潔な店内のデザインととても美味しいケーキが評判で次第に名を知る人が増え、人気が高まりつつある。店頭での販売が主体らしいが店の隣で淹れたてのコーヒーとともに味わうことができる。僕も今までに何度か利用したことがあった。

 午後、遅い時間ということもあり、生っぽいケーキは売り切れていて、ショーケースの中には日持ちのしそうな半乾燥系の菓子だけが陳列されていた。それでもせっかく来たのだし、静かで落ち着いた空気の中で一休みする時間を持つ事自体に意義があると思っていたから、食べるケーキを注文し、コーヒーはフレンチローストに決めた。
 実は、このとき、僕に同行していた人は、極端にカフェインに敏感な体質の持ち主で、普段からコーヒーを飲むことをしない人だった。この店にコーヒー以外の飲み物がないということは、来る前からわかっていた。それでも、
 「水だけでも良い」ということで訪ねてきたわけだ。
 「コーヒーは一杯」という僕の注文に店の人は、表情を変えずに
 「ケーキとコーヒーを共に味わっていただきたいと考えてやっております」と言うではないか。
 「コーヒーも満足に飲めないような人間は、自分たちの店に来るな」と喧嘩を売っているようなものである。
 「テヤンデー、ベラボーめ。確かに店と品物は、オメーのモンかも知れねえが、金は俺のモンだ。こんな店、二度と来るか」 落語の八つぁんならこう啖呵を切ることだろう。
 コーヒーが飲めないというだけで人格を否定されたような気持ちにさせるケーキ屋がどこの世界にあるだろう。
 その店の名は、サンスクリット後で「日常」という意味なのだそうだ。中標津町は空港にもあり、「東京の隣町」と胸を張っているが、ちょっと人気が出てきただけで、こんな傲慢な態度が「日常」になるのであれば、所詮は田舎でしかないと思われるのではないだろうか。
 心配だなあ。

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