2008年12月14日日曜日

ラフロイグ

海の街で生まれた。
船の汽笛を聞きながら育った。
高校を卒業し、内陸の街へ出た。
今、思えば
無意識に海を失ったことを感じていた。

喪失感を抱えたまま彷徨し、
結局、就職して海のそばで暮らすことになった。
流氷の来る所だった。

やがて転勤になったが、転勤先も漁船のエンジン音の絶えない町だった。

それ以来、住む場所は変わっても
ほぼ、海のそばで暮らしてきた。
海の近くに家も手に入れた。

そして、今、
「地の果て」と呼ばれる
海に突き出た半島で暮らしている。
実は、ほとんど意識することはなかったが、ここまで海と深くつながっていたのである。

無意識に海を求めるのか。
まさか、海が僕を求めるなんてことはないだろうが。

夜、眠る前にシングルモルトを飲む。
口に含むと、鼻腔に海の香りが広がるように感じる、このウイスキーを飲み始めて、もう永い。

このウイスキーとの出会いが、人生最大のヨロコビかもしれないなあ。

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