2008年12月26日金曜日

闇の労働者

 「非正規労働者」という言葉にひっかかりを感じた。
 ニュースなどで、みな自信満々で「非正規労働者」という言葉を使いまくっているが、はたして、本当にそれは正しい表現なのだろうか。
 「正規」を辞書で引くと、「規則などではっきりきまっていること。また、その規定。」とある。 
 非正規労働者とは、「規則などではっきり決まっていない労働者」なのだろうか。

 派遣労働者やパートタイム従業員、アルバイト、嘱託職員、季節雇用etc.etc.なんと多くの種別があるのだろう。だれがこのような多様な雇用形態を作り出しだしたのだろう。同じ職場で、同じ作業をしていても、一人一人の「身分」が違っている。もちろん給料も違っている。それで良いのだろうか。

 このように細かく分類されることで、労働者は分断されて団結することを巧妙に妨害されている、と思わないか。
 この状態は、江戸時代の身分制度によく似ているかもしれない。あるいはインドのカーストか。われわれは、自分より下の階層の苦しみを眺めて、
「ああ、われわれはまだマシなほうだ」と、小さな幸せにしがみついているのではないか。
 そんな姑息な、あるいは卑劣な存在からの脱却をめざして、人類は、奴隷制度を廃止し、植民地支配を廃し、民主主義を推し進めてきたのではなかったか。それが社会の発展の方向だ、と多くの人が示したのではなかったか。
 しかし、知らず知らずのうちに、われわれは、歴史の歯車を逆転させて、元の暗くジメジメした社会構造に戻りつつあるのではないだろうか。
 「歴史は似たような相を繰り返しながら、螺旋状に発展していく」と、弁証法では教えていたような気がする。そうなのかもしれないが、現実を見ていると、螺旋のネジ山が潰れて、同じ所で空回りしているようにも見えるのだが。
 
 こんなイラダチを覚えるのも低気圧の凶暴なチカラに感応したからでありましょうかね。 

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