2009年10月2日金曜日

デルス・ウザーラ


10月1日(木)

 昨日に続き、晴天。バイクで無事に帰宅。
 羅臼に泊まると、時間に余裕ができていろいろなことができて良い。

 「環境保護」で生徒たちに「デルス・ウザーラ」を観せた。その、感想文になかなか素晴らしいものがあった。自分だけが読むのはもったいないので紹介したい。


デルスは自然の中で生まれ、生きてきた。アルセーニェフ達と出会った事でこの物語が始まった。アルセーニェフ達はデルスがいたことによってさまざまな危機から助かった。デルスがいなければ探検は失敗していた。しかし、逆にデルス側から見れば、会わなければデルスはあのような最期を迎えずに済んだのではないかと思う。
 身体の衰えを感じたとしても、虎を撃ってしまったとしても、あのまま残っていれば、デルスは本来の生き方をしたまま死ねたのではないか、デルスは死ぬ直前、鳥たちを幸せそうに話していたという。デルスにとって自然はアルセーニェフが思っていた以上の存在だったのだろう。
 私たちが思う自然とデルスが思う自然は見方が全く違うだろう。今の世の中の生活をデルスが見たとしたら「悪いこと」だらけだろう。そして私たちも「悪い人」だろう。
(男子)
 私は、こういう類の映画を見るの初めてでしたがとても楽しめました。
 特にデルスの考え方や価値観は現代人にはとても足りないものだと感じ共感できました。「自然を大切に」とよく言われていますが、みんな自然の上に立ってものを考えていて、デルスのように同じ立場で考えている人は少ないでしょう。これは現代人だからこそ見なくてはいけない映画だと思います。
 一つ残念なのは、ハバロフスクに行ったデルスが街のルールを分かろうとしなかったことです。デルスは森に行った人達に森でやってはいけないことなどを熱心に教えていました。しかし、同じ立場に立ってその場のルールを理解しようと努力するシーンがあればよかったと思いました。                         (男子)

                 ○
 最初は、古くさくて、変な映画だなぁと思って見ていました。
 デルスなんて、ただ山で生きているだけで、ちょっと人より勘が良いだけなんだろうと考えていました。けれど見ていく中で、デルスの普通の人とは違う考え方や視点のおき方が変だとかおかしいという考え方から、デルスみたいな考え方や視野の広さがとてもうらやましく思えてきました。デルスは、人の中で最も優れた能力の持ち主の一人なんだろうと思いました。自分一人が良ければそれで良い、と言う自己中心的な考えではなく、自分が助かった、ならば、他のヒトも助けなければ、大切にしなければならないと言うデルスの考え方が私には想像できました。
 デルスを見ていて、今自分に足りない想いやりの心がデルスには備わっていると気がつきました。この映画を通して、自分の視野が少し広がった気がしました。
 また、自然と共存していくための考え方、行動も学べたんだろうと思います。(女子) 
 ○
 この映画の最初の感想はおもしろかったと思いました。
 そして、デルスの能力がとにかくすごいと感じました。足跡だけで人を見分けるなど普通の人にはわかるはずのない事をデルスは普通にできてしまう。デルスのような考え方(動物も物も「ヒト」と呼ぶ)を持つ人が増えていくことで、世界のあり方などは今とはガラリと変わるかも知れないと思いました。
 そして最後にデルスが殺されたときに思った事は、自然の過酷な環境より怖いのは人の欲望の方だ、ということです。
 やっぱり、世の中人が一番怖いのかなあ、と思った。         (男子)

 この映画は、途中から見たので、最初はよくわからなかったけれど、ロシアの厳しい冬を目のあたりにして少し驚いた。まず、自然のスケールからして自分のいる場所からはなかなか考えにくい部分があった。
 デルスの生き方には学ぶ所がたくさんあった。日常生活ではなかなか難しいことばかりだけれど、人間として、見習う所ばかりだった。
 昨日も言ったように、やっぱり一番は地上にある全てのモノに対して「人」と平等に、それ以上に敬っていることにはビックリしたし、すごいなと思った。
 日本にも色々なモノに神がやどっているという考え方はあるけど、実際にそう思って過ごせている人はそう居ないと思う。きっとそういう自然の中に直で生きているから、そんな所まで考えて実行できるんだろうな思った。今の自分たちが住んでいる場所では厳しいかなと思う。
 でも、そんなこと関係なしに、みんな平等とか、周りを敬うことは重要なので、もっと考えて過ごせたらいいなと思った。                                               (女子)

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