2011年12月4日日曜日

札幌に「阿寒の森」


JR札幌駅東コンコースの壁に作られた「Art box」という展示スペースで、
 「あかんの森 ゆらゆらふぁんたじい」と題して、
 切り絵作家 竹本万亀(たけもと まき:友人だけど芸術家だから敬称は付けないのダ)の作品が展示されている。
3日、シンポジウムの帰りに立ち寄って鑑賞してきた。
 以下は、その印象。

海で生まれた記憶が、
 体内に刻印されているように
 森で生きていた記憶も
意識の底に沈殿しているに違いない
それは
 水面から反射して座敷の壁で踊る光
ひと時も止まることなく
 形を変え続ける
命のゆらぎ
 
時空を跳び越えて
 都市に出現した
 阿寒の森の生き物たちは
 ガラスの箱を飛び出して
 街の隅々に散らばる

 ネオンに照らされる路地にも
 胸を張って建つマンションのベランダにも
地下鉄の線路の間にも
 それらは潜み

エアコンのダクトから忍び入り
ケーブルを伝わり
 電線をたどり
 キーボードの隙間からたち上り
 一瞬で街を占領する

 そして
 都市で暮らす人々の
 森の記憶を揺り動かす



 そして、作者は、次のようにコメントしている。


 人々の行き交う都会の空気のなかに神秘の「あかんの森」が現れ、
日常をふっと忘れる絵本のようなファンタジーへと入り込む瞬間が生まれる。
あかんの森は、今この時も多くの生き物たちがうごめいている。
足を踏み入れると、エゾアカガエルやエゾサンショウウオがかさこそと草の隙間から飛び出し、
ヒグマやエゾフクロウは身を潜め、生い茂る木々の合間にゆらめく影たち。
森の住人たちのざわめきや息遣いの中で、私たちも生き物のひとつとして
ともに今を生きていることを感じられたらと思う。

展示は、来年2月29日まで。

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