2009年11月18日水曜日

北冥

 寒気が流れ込んできているようで、雪がちらついた。積もるほどにはなっていないが、確実に少しずつ冬が近づいてくる。 例年に比べると冷え込みは厳しくないように思うが、実際のところはどうなのだろう? 二軒の家を管理している身にとっては、冷え込まないことは、ありがたい。 
 根室市のデータだが、今日の日の出は、6時14分、日没15時51分。 昼間の長さは、約9時間半だ。約40パーセント。これが冬至の日には8時間58分にまで縮まる。37.5パーセントだ。
 北国で暮らしていると、初冬の短日が嫌になることがある。寒さは慣れれば快いほどだし、対策はいくらでもある。だが、この暗さだけはどうにもならない。北海道より高緯度の北欧やロシア、北極圏地方などでは、この時期に鬱病の発症や自殺者が増えたりする、という話も聞いたことがある。 この地は北緯44度だからそれほど高緯度というわけではない。中緯度地域と言うらしい。それでも、日長の変化をこれほど感じるのだから、北欧やロシアの人々の気持ちもわかるような気がする。
 だが、それも考えようで、ほの暗さを楽しんだり、静かで落ち着いた雰囲気をジックリと味わうことができれば、何と言うこともないのではあるまいか。 そして、何より、太陽が甦ってくる冬至の喜びを強く感じ取れるだけ、この暗さはありがたいと思えてくる。
 「北冥」という言葉ある。「北の大海」という意味らしい。

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