2009年2月13日金曜日

ワタリガラス

 朝、通勤で坂を登っているとワタリガラスが鳴いていることがよくある。羅臼にはハシブトガラスの多く住んでいる。ワタリガラスはハシブトガラスよりも一回り大きく、尾羽はくさび形になっている、と言われている。
 「と言われている」というのは、外見ではなかなか区別が難しい、と感じるからだ。僕の場合、決定的な識別点は鳴き声による。図鑑などには「カポン、カポンと鳴く」と書かれているが、そのような聴こえ方よりも声の質で区別している。

 ワタリガラスは、多くの北方先住民族の神話に登場し、人間に火の使い方を教えた、など知恵のある自由な存在として描かれている。ハシブトガラスやハシボソガラスなど「その辺にいる」カラスとは別格に扱われているのだ。

 「わたり」とは旅することであり、「場」にとらわれない自由な存在の象徴なのだろう。そしてなおかつ豊富な知恵を備えている存在なのであろう。北方諸民族が尊敬し、神話に語り継いできたのもうなずけることである。

 毎朝、ワタリガラスに会えることは、とても幸せなことだ、と改めて思うのである。 

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