2013年1月4日金曜日

「除染」のカラクリと誤魔化し

 北西からの風の強い寒い一日だった。  先ほど読んだ毎日新聞web版に次のようなニュースがあった。  国が直轄で行っている除染で、除去土壌や枝葉が川に捨てられるなど不適正に処理されているとの指摘があり、環境省は4日、実態調査に乗り出した。事実ならば、放射性物質汚染対処特別措置法に抵触する可能性がある。  指摘があったのは、福島県田村市、楢葉町、飯舘村の3市町村の除染現場。環境省の除染ガイドラインでは、除染で発生した放射性廃棄物は飛散防止のため、袋詰めなどの措置を取るよう求め、特措法で不法投棄を禁じている。  しかし、一部の請負業者が、落ち葉などを川や崖下に捨てた疑いがあるとの指摘があり、環境省は来週中にも元請けゼネコンの現場責任者を環境省福島環境再生事務所(福島市)に呼び、事実関係を確認することにした。  国は、旧警戒区域と旧計画的避難区域(11市町村)を除染特別地域に指定し、直轄で除染を行うことになっている。これまで、指摘のあった3市町村のほかに、川内村を加えた4市町村の除染作業をゼネコンの共同企業体(JV)に発注。本格的な除染作業が始まっている。  除染方法について、環境省は元請けゼネコンとの契約時に、特措法や除染ガイドラインなどの規定に沿って実施するよう文書で求めている。また、環境省は、再生事務所の職員に現場を巡回させ、適正に行われているかをチェックしてきたとしている。  原子力発電の危険性の中に人間の犯すミスによる危険が消し去れないという論議があった。どんなに安全策を講じても不確定なヒューマンファクターが働いて事故が発生する危険を消し去ることはできないというものだ。  今回、福島での事故が起きた直後から「除染」という言葉が盛んに使われ始めた。  「除染」という語はATOKの辞書でも変換できない。このことは、つまり広域で大規模な放射能汚染が起きてしまってから急造された言葉だということを意味する。  言葉が先に出来あがったのだ。だからその方法や手順は不完全なままだったのだろうが、人々は急造された言葉がマスコミも政府も一体となって使われることで、明らかに過度な信頼を寄せてしまった。  日本の優秀な官僚のねらいは見事に的中し、除染で事故前のような環境を取り戻せると信じる人が増えつつある。  「除染」自体、どれほどの効果が期待できるのか定かではない。  そして、それ以前の人為的なミスやこの記事にあるような悪意による手抜きによって、実はあまり信頼できないものであることが明らかになってきた。   「除染が済んだ」ということで人々をそこで生活させようとしている地域があるが、本当に安全になったと言い切れるのだろうか。  どうしても納得できない。特に、子どもたちに対して、もっと慎重な判断をしなければ10年後20年後に禍根を残すことになりはしないだろうか。

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