2012年6月22日金曜日

理想は高く掲げたい

実は、羅臼町内のすべての学校(と言っても幼稚園、小学校、中学校、高校全部で7つしかないのだが)ユネスコスクールに加盟することになった。
 去年の2月頃から準備を進め、今年の4月付けで正式に登録が認可された。
 その記念のセレモニーが来週27日に開かれる。
 ユネスコスクールとは何かをここに長々と書く余裕はないが、要するに「ユネスコ憲章に示された理念を学校現場で実践するため、国際理解教育の実験的な試みを比較研究し、その調整をはかる共同体」としての学校のネットワークのことである。
 世界中で180カ国9000の学校が加盟している。日本の加盟校は、現在約400校だ。
 今、そのセレモニーの「しおり」を作っている。そこであらためてユネスコ憲章について調べてみた。その前文は、以下のようなものだ。(抜粋)

この憲章の当事国政府は、この国民に代わって次のとおり宣言する。
戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信を起こした共通の原因であり、この疑惑と不信の為に、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。
ここに終わりを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人種の不平等という教養を広めることによって可能にされた戦争であった。
文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、 かつ、すべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神を持って、果たさなければならない神聖な義務である。
政府の政治的及び経済的取り決めのみに基づく平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって、平和が失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かれなければならない。
これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の十分で平和な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに研究され、かつ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。
その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、かつ、その憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。(引用終わり)

 1946年(第二次世界大戦直後)、人類が二度と戦争の惨禍を繰り返さないようにとの願いを込めて、各国政府が加盟する国際連合の専門機関として創設された当時の熱い思いがこめられた格調高い文章ではないか。
 もちろん現実の世界には、紛争が絶えず、ユネスコ発足から70年に近い歴史の中で地球上から戦火が消えたことは無かっただろう。
 つくづくヒトは愚かな生き物だと思い知らされる。

 そして日本には、このユネスコ憲章と並べて何ら遜色のない日本国憲法がある。そして自民党安倍政権によって破壊された、旧教育基本法にも同様の思いがこめられている。

 教育基本法を破壊し、日本国憲法をも踏みにじろうとしている勢力が、多数の国民の反対や批判を無視して原発を稼働させ続けようと画策している。
 これは本当に恥ずかしいことなんだと、あらためて知るべきではないだろうか。

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