2012年9月11日火曜日

科学の凋落を嘆く

 福島県内の子どもが甲状腺癌を発症したという報道があった。
 福島医大放射線科の見解では、放射能の影響であるとは考えにくいとのことだった。
 その理由は、放射線による被曝の影響があるとすれば4年後以降になると考えられるからなのだそうだ。

 それは、そうなのかも知れない。
 その見解自体は正しいとしても、問題は、もはや多くの国民が、そのような説明を全く信じられなくなっているという事実なのだ。
 不信感と疑惑が渦巻いている事実。
 言葉の正しい意味における科学の権威が地に落ちてしまっているという事実が、目の前に突き付けられている。
 今回の甲状腺癌に関するニュースでも同様だ。癌患者が発生したことは事実なのだ。即座に原発事故が原因ではない、と発表する。こんな態度だから、多くの国民は、逆に怪しむばかりだ。

 科学は人類が何世代にもわたって切り拓いた知と技の精である。純粋な真理への好奇心から多くの犠牲も払いながら蓄積されてきた財産である。
 一部の政治家、拝金主義者、不道徳な野心家によってその地位が貶められていることが悲しい。 

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