第四回知床シーカヤックシンポジウムが開催されていた。いや、いる。
「北の海の先人たち~知床の海を漕ぎ、地球環境を考える~」というテーマである。
蝦夷地の先住民たちが、外洋を航海できるカヤックを使って北方や大陸とどのように交易を行ってきたか、カヤックという道具がどのようにして作られたか、現代のカヤック乗り(カヤッカー)に求められる課題は何かなどについて大勢の人々が集まって話し合われた。
その中で、南富良野のインディアンカヌークラフトの松原さんが制作した長さ9メートルもある三人乗りの艇がひときわ目をひいた。木のフレームにキャンバスを張った作りだけれど、荒い波にも強く積載能力も高い艇だ。そして、何より美しい。
彼は、この艇で稚内・利尻・礼文を航行した、という話をしてくれた。そしてそれは、単なる冒険ではなく、昔の人々が生命の危険を可能な限り低くしつつ、生きるのに必要な食料を獲得するための道具として工夫されてきたカヤックの伝統を一人一人のカヤッカーが自覚し、伝承していくことの重要さを強調していた。
まったく同感だ。
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