2011年9月9日金曜日

天動説にサヨナラしたい

今でこそ、
「大地は不動で、太陽や月がその周りを巡っている」などと
本気で信じている人は、ほとんどいないだろう。

だが、
それを順序立てて説明してみろ、と言われたら
僕は、かなりたじろぐかもしれない。

少なくても簡単にはいかないと思う。
だって、実際に大地は不動で、月や日が周囲を巡っているように見えているのだから。
地球の方が回っているという証拠を示すのは、難しい。

誰も思いもよらなかった地動説を思いつき、それを証明する方法を考え出し、皆を説得した労力は大変なものだったろうと思う。
しかも、ローマ法王庁という強大な権力からの圧力とも闘う必要もあったのだ。

ところが、今となっては、地動説を疑っている人はほとんどいないだろう。
小学生だって知っている。

地動説の証明は?と問うたならば、老若を問わず、何人かは
「常識だ」と答えるに違いない。


ガリレオやコペルニクスの時代、
天動説が「常識」であったに違いない。



いま、不思議なことに「経済成長がずっとつづく」
ということが常識であるらしい。
モノを作って、それを売る市場が無限にあるというのが常識になっているらしい。
他者と競争するために、コストを切り下げるのが常識になっているらしい。
コスト削減のためには、人件費を抑制することが常識になっているらしい。
人が、人らしく生きるために必要な賃金ではなく、働く人を死なせない程度に食わせればいい金額に押さえ込むことが美徳とされている。

人の健康や命が大事にされないことが常識になっているらしい。
その考えの延長線上にフクシマが立ちはだかっている。

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