



羅臼町内にセイヨウオオマルハナバチの巣があるらしいことは、少し以前からわかっていた。そばに小学校があり、その付近での捕獲数が突出して多かったからだ。
一ヶ月くらい前にハチの出入りする地点が突き止められた。そこはクマイザサの密生する崖の下の方だった。
場所はわかったのだが密生するササが邪魔になって、地中の巣を掘り出すまでには至っていなかった。大がかりに周囲のササを刈り取って土を取り除かなければ巣を掘り出すことはできないことがわかったからだ。
そして、ついに、今日、巣の掘り出し作業を行うことになった。
小学校に連絡したら4年生の子どもたちが理科の時間ということで見学(応援)にきてくれた。
午前10時、環境省のレンジャー二人と知床財団の職員に僕も加わって作業が始まった。
やがて子どもたちも到着して、巣から飛び出してくるハチたちを捕まえる仕事を一手に引き受けてくれた。
子どもたちの網捌きは、ちょっとおぼつかないが人数が多いことで十分効果を発揮して、50頭近いハチを捕らえてくれた。
今は、新女王が現れる時期で、巣を壊滅させたとしても新女王を逃がしたのでは、防除の効果は半減してしまう。
そのため、子どもたちの存在は、非常に重要だった。
激闘一刻。
ちょうどお昼になる頃、地中の巣は完全に掘り出され、知床に根を下ろそうとしていたセイヨウオオマルハナバチの巣が一つ終焉を迎えた。
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