2013年4月2日火曜日

ジンパを禁止された北大生に 衰退を思いこの国の凋落を予感する

 4月1日をもって北海道大学が構内のレクリエーションエリアを廃止し、北大名物の「ジンパ」ことジンギスカンパーティが禁止されることとなった 。  北大の農学部東側と総合博物館南側には「レクリエーションエリア」と呼ばれる場所があり、大学生協で買ったジンパセットでバーベキューをするジンパが北大名物となっていたという。僕に言わせればそんなことは最近始まったことで、それほど長い歴史があるようには思われないのだが。 大学側の言い分では、最近になってマナーの悪い学生が騒いだり、芝生への影響が出たりしたことが問題となり、大学施設部がバーベキュー禁止を表明し、構内でのジンパが禁止されることになったらしい。  たかがバーベキューの問題だ。食べたければ北大の周辺には焼肉屋さんは数多ある。一見どうでもいい問題のように思えるだろう。  だが、「ジンパ問題」の背後にある構造を考えるとやっぱり気が重くなってしまうのだ。70年代に学生だった僕たちの感覚では、大学構内における学生の行動を簡単に規制する実力を「大学側」が持っているということが信じられない。これじゃまるで高校か中学と同じではないか。  大学の自治というのは、もはや死語なのだろうか。  そう言えば日本では、大学の入学式や卒業式に保護者が付き添うのは当たり前になった。それどころか入学試験当日や合格発表にまで保護者がつきまとっている姿を見かける。大学には「生徒指導部」があり、家庭訪問や校門での朝の指導までする所があるという。  嘆かわしい。  ヒトは、幼小中高とステップアップするごとに成長していくのが自然な姿ではないのか。これでは、いつまで経っても保護者による庇護から抜け出せず自立した個人が育つとは思えない。  かくして日本の民力はひたすら衰退へと向かうのだ。  ヒトとしての成長をテストにおける得点能力にすり替え、ペーパーテストで1点でも多く得点することにのみ血眼になってきた「教育」の結果がこれだ。  もっともある種の人々にとっては、こんな大学生が増え、その中の「成績優秀」な者が官僚として行政機関に入ってくることは、望ましいことに違いない。その思惑は見事に達成され、引き替えに若者の幼稚化が著しく進行したというわけだ。かくして、物言えぬ有権者を大量生産するシステムが完成する。  北大生よ、正しい伝統を受け継ぎたいなら、見事ジンパを奪い返してみよ!

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