2013年4月22日月曜日

スミソニアン・アメリカ・インディアン国立博物館

 4月21日(日) 午前中は、「教育における日米関係」というテーマで草原克豪氏の講演  日本は、明治維新以後欧米の社会機構や技術、思想等を取り入れる時、アメリカを経由したルートが結構あったという指摘は興味深かった。  そう言えば、日本人が「西洋」を見る時、アメリカの向こうにヨーロッパを置く見方とロシアやアジアの向こうにヨーロッパの姿を見る見方があると思った。  言わば西回りに見るか東回りに見るかの違いだ。  産業革命から出発したヨーロッパ文明が今日の環境問題を生み出した大きな原因であろうから、そのヨーロッパを西回りで観るか、東回りで観るかで、文明に対する見方が大きく違って来るかも知れないと思った。  続いてノースカロライナ大学のエイミー・ギャレット・デッカーズ博士による「米国の教育とESD」という講演があった。  アメリカの教育制度は、州ごとに異なっていて、なかなか一概に「こうなっている」と言えない難しさがあるようだ。ただ、その中でも家庭で英語以外の言語を使っている児童生徒が23%もいること、国際的な学力比較で低迷している状況からの脱出のために「COMMON CORE(コモン・コア」(私訳だが「共通基礎学力」)を設定して基礎学力向上に努めていること。その一方では「STEM(ステム)」(科学・技術・エンジニアリング・数学)の能力向上にも重点を置いていることなどが紹介された。  また、新採用教員のうち5人に一人が5年以内に離職している現実、教師の待遇などアメリカの教育の抱えている課題も示してくれた。  しかし、その一方でノーベル賞受賞者が圧倒的に多いという事実をどう説明するのか、というような議論も出て、非常に面白い講演になった。  午後からは、ホワイトハウスやリンカーン記念堂などワシントン市内の視察に出かけた、スミソニアンの博物館見学では見学先を自由に選べたので、「アメリカ・インディアン国立博物館」に行くことにした。  この博物館に行くのは初めてだったので期待していた。ただ、滞在時間が1時間と少々しかなく、急ぎ足での見学にならざるを得なかったことが、残念に思われる。  それでも、北極圏から中央アメリカまで、この広大な大陸でその風土に順応して暮らしてきた人々の息吹に触れることができたのは幸せなことだった。

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