2009年3月23日月曜日

HR通信への寄稿

「お別れに何か書いて下さい」副担任をしているクラスの担任からそう言われた。案外いざとなると何をどう書いたらいいのかわからなくなるものだ。 だから、あまり、あらたまったことはしたくなかった。 だが、やはりあの生徒たちに何か書き残してやりたい、というスケベ心が出て次のように書いた。   365日の2年B組  風が吹いている。山全体を揺さぶるような風。  「風の又三郎」が山の小さな小学校に転校してきた日も、転校して去った日も台風のような強い風が吹いていた。風は旅する人を招き寄せ、また旅立たせる力を持っているのだろうか。風は、出会いと別れを作り出すのかも知れない。    今年、2年B組の副担任にさせていただいて、実に気持ちの良い一年間を送らせてもらった、と思っている。もう、ヨレヨレでロクにクラスに関する仕事もしていない僕をみなは「副担任」として行事の時などに仲間に入れてくれた。学校祭のクラス旗やクラス写真に担任のY先生と並んで登場させてくれたりしてもらったことは、とても嬉しく、心浮きたつことだった。これが、僕を勇気づけ、環境について学びたいという高校生が全国から羅臼高校に集まって来るような学校にしたい、という夢に力を与えてくれた。このことは、この先もずっと僕の記憶に深く刻まれて残ることだと思う。  そのため、来年も引き続いてみなと同じクラスに残り、卒業を見守りたい、という気持ちがふとした時に心に浮かんでくる。心が揺れるのである。知床の風は、そんな僕の迷いを吹き消すかのように、激しく激しく吹いてくる。時は、すでに満ちているのだ。  いつまでも元気で。健康で。  いつかまた、他日。           (3月23日夕方 風の音を聞きながら)

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