2009年5月14日木曜日

セイヨウオオマルハナバチ


 二つ玉低気圧が寒気を呼び込み、午後から気温が急速に低下。
 午前中の気温は、ほぼ平年並みだったのだろう。授業で学校を出て海岸に沿って町を歩き、お寺に着いた時は五分咲きのエゾヤマザクラにハチが群がっている、のどかな情景がそこにあった。

 よく見るとセイヨウオオマルハナバチだった。日本には分布していないハチだ。ハウス栽培のトマトなどの受粉のためにヨーロッパから導入された。ところがハウスから逃げ出した女王が繁殖して今は、北海道中に広がって問題になっている。同じニッチェ(生態的地位)にいる在来の他のマルハナバチの生存を危うくしている。

  6月にこのハチについてのレクチャーを頼まれているので、捕獲したり写真を撮ったりしようと思った。しかし、その時は、生徒を連れて授業をしていたので、その場は一旦引きあげ、昼食後に出直すことにした。
 一時間後、網を持ってその現場に向かった。ところが、あれほどたくさんサクラに群がっていたハチが一頭もいない。お寺の境内はシンとしている。そういえばさっきより肌寒い。あらためて温度計を見ると9.7℃。虫が活動できる気温ではない。たった一時間の間にガラリと変わるのが虫の世界だ。
 「いくら張り切っても、自然のルールにはかなわないよ」という声がどこからか聞こえてくるような午後だった。

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