2009年5月28日木曜日

セイヨウオオマルハナバチバスターズへの危惧



 今朝、ニワトリに餌を運んでいるとき、一頭のマルハナバチが飛び回っていた。明らかにセイヨウオオマルハナバチと違う種類なのだがよく見ると腹部末端(要するに「お尻」に見える部分)が白色なのだ。捕獲して調べてみるとアカマルハナバチの女王だった。このハチは腹部の最末端節だけが白い点、「白い」といっても黒い地肌が目立つほど体毛の密度が高くない点、などの特徴でセイヨウとは容易に区別がつく。
 だが、区別がつけられるのは昆虫の識別にある程度習熟した人ではないだろうか、とふと考えた。
 昼、ビジターセンターでこのことを話し合ったが、実際にアカマルハナバチを「お尻が白いから」セイヨウオオマルハナバチかと思った」という誤捕獲の事例もあったようだ。 慣れてしまえば識別は簡単なのだが、今まで昆虫との付き合いが薄かった人々にとっては、昆虫の特徴を読み取るときのコツを飲み込むまで一定の時間がかかると思われる。万が一、そのような状態のまま「セイヨウオオマルハナバチ バスターズ」などという腕章を着けて網を振り回したとしたら、恐ろしいことになってしまう。この活動に僕が感じる危惧の一つがここにある。
 もちろん、これを機会に昆虫の世界に親しんで、関心をもってくれる人が少しでも増えればそれは望ましいことだ。これまでの「虫好き」は、やたらに標本を集めたがるコレクターや、カブトムシやクワガタなど一部の「カッコイイ」虫にしか興味を持たない人が多かった。ナチュラリストとしての虫好き、つまり「虫めずる姫君」や「むしめずるおの子」がもっともっと出現してほしいものであるから。

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