2009年5月21日木曜日

小学校へ「デビュー」

 「自然環境専門指導員」というイカメシイ肩書きが付くようになって、今日はその初仕事であった。町内の小学校の授業の手伝いに出かけて。昨年度に引き続き高等学校の授業は、いまだに行っているが、小学校への「デビュー」の日となったのである。もちろん自然観察の授業。校地の中だけの限られた範囲だが、カツラの幼木があったりミミコウモリがあったりとよく見ると色々な植物が見られる。小学生相手だからいたずらに種類だけを増やしても意味がない。自然を観察する基本的な姿勢と感動する心が伝わればいい。
 3時間目に3年生、4時間目に4年生を対象に行った。小学生は、ストレートに自分の考えをぶつけてくるので、接してみると面白い。また、自分の興味や関心を隠さずに表現する。面白くなければすぐに別の方向に関心を向ける。義理で話を聞く、などということは絶対にない。その意味では、彼らへの授業は、教師としての力量が掛け値なしに試される。厳しいが、面白い。ただし体力勝負だ、と思った。
 それにしても、感動したことや感心したことを素直に表現してくる児童たちは、本当にかわいらしかった。もた、是非行ってみたい、と思った。

 同時にちょっと気になることもあった。それは、彼らにとって初めて知る虫や花の名前を伝えると、必ず次ぎに「それは毒じゃない?」との質問が返ってくることだ。例えば、

「これはナミテントウだよ」
「ふーん、これ毒ないの?」

「この花はツボスミレっていうんだよ」
「へええ。毒じゃないの?」という具合だ。

 彼らにとって、自然界は毒虫とウイルスとバクテリアに満ちた危険で怖い所、というイメージが先行している。刷り込まれている、とも言えるだろうか。
 これは、もちろん彼らの責任ではない。周りの大人たちの責任である。自然と人間は、現代社会ではこれほどまでに乖離(かいり)させられているのだろうか。このことを考えると、自分の非力さが恨めしく思われた。

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