2009年7月5日日曜日

探鯨譚(クジラをさがす話) その6

 根室に泊まった。日本野鳥の会北海道ブロック協議会総会のためだ。
 今の季節、根室市は日本でもっとも夜明けが早く訪れる。朝、4時半に起きて探鳥会に出かける参加者を見送る。上空の厚い雲の上に日本一早い太陽があると思われる。
 僕の仕事はこの後、市内の保護区視察を案内することだ。
 
 今朝は、午前5時から探鳥会。

探偵譚(クジラをさがす話)  その6
 クジラとの付き合いは、結構古い。標津高校にいた頃、標津から出るホエールウォッチング船に毎年乗せてもらった。体調を崩して、今ではもうやめてしまった船会社の社長や船長さんは、「地元の子どもたちに是非見せたい」と熱心に運行していた。今、考えると先見性があったなあ、と思う。そのお陰で標津高校の生徒たちもずいぶんお世話になった。僕自身も「ホエールウォッチングを取り入れた授業」の意義をそこで実感できた。
 標津沖で見られるクジラはミンククジラだ。ミンククジラは、髭クジラ類としては小型の種であり、ダイビングする時も派手に尾を挙げたりしない、観察対象としては地味な種である。しかし、観察船の近くにブローを吹きながら浮上する様子は迫力があるし、ハシボソミズナギドリの群れの中で採餌する姿は、海の物質循環をわかりやすく示していると思う。
 今年五月、紋別市沖でガリンコ号から海鳥の調査をしていたとき、久しぶりにミンククジラに出会った。6~7年ぶりの再会だったと思う。無性に懐かしかった。

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