2012年10月22日月曜日

ARCTICA号 ただいま故障中

 羅臼岳に冠雪が見られた。  今シーズン初めて見た。  「雪をまぶした」などというヤワな状況ではなく、海抜700~800メートルより上は、完全に冬山の景色になっている。知床の冬はいつもこうなのだが。  先月からアルクティカ号の調子が良くない。  具体的には、左右の前照灯、尾灯、車幅灯、そしてインパネの照明灯など夜間に走るための灯火類がまったく点灯しなくなっていた。  おそらくヒューズであろう、とヒューズボックスのヒューズを手当たり次第に点検したのが、異状は見つからなかった。  困り果てて、昨日、ボンネットを開け、目についた黒い箱を開けてみると、中に3センチくらいある巨大なヒューズが4本おさまっていた。 「オッ!」と思い早速一本ずつ抜いてみたところ最後の一本が見事に切れている。  まず、間違いなくこれが原因だと思われる。30アンペアのメインのヒューズというようなものが設けられていたのだ。  故障の原因は突き止めたが、肝心のヒューズがなかなか手に入らない。ダメ元でホームセンター、自動車用品店などを探したが、予想通り売られていなかった。  今日、職場の帰りに立ち寄った中標津町の自動車部品専門店にも無かった。だが、そこで、町内のFという自動車電装品専門店を紹介してもらった。  そこでそのF電装に立ち寄ってみた。工場はもうシャッターを下ろしていたが、事務所にはまだ、灯りが点っていて、社長さんとおぼしき人が応対に出てくれた。  サンプルに持参した切れたヒューズを一目見て、彼の口から 「ああ、それならあるよ」という言葉が返ってきた時は、ほとんど諦めていただけにとても嬉しかった。  その超巨大ヒューズは、大きさの二乗に比例するくらい高額で、社長さんが申し訳なさそうに値段を言った。そして、切れたヒューズを子細に観察して、電気回路のどこかに異状があるかも知れないので、先にそれを点検してから交換することを勧めてくれた。  このような商売上の売り上げとは別に、初対面の僕に対しても故障の原因を取り除き、安心してクルマに乗れるようにしてあげようという職人気質が、なんとも嬉しかった。  新しいヒューズを入手できたヨロコビもあるが、こういう温かい人に出会った嬉しさの方が、ずっと大きい。

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