2012年10月14日日曜日

恋問の浜でクジラを供養する

昨夜、斜里町ウトロの世界遺産センターで、しれとこ100平方メートル運動35周年行事のひとつとして講演会があった。 講師は、前環境省自然環境局長の渡辺綱男さん。知床の世界遺産登録に尽力した人だ。 講演の中で、渡辺さんが紹介してくれた司馬遼太郎の言葉が、とても印象に残った。 これからの日本を何とかするために 国民の80パーセントが合意できることを 日本人みんなで決めて、それをみんなして 守っていくことにしたらどうだろうか。 (対談の相手:そんな80パーセントで合意できることってありませんよ) いや、ひとつだけある。 自然をこれ以上壊さないことだ。 これだけは合意しようとすれば、 日本人は合意できるのではないかな。                   (司馬遼太郎の対談より) この通りの政治を政府が行っていれば、日本は今頃、もう少しまともな国になっていたであろう。 未明から天候が回復し、秋晴れの一日となった。釧路へ行く用ができ、出かけた。  時間があったので、久しぶりに恋問の海岸へ、太平洋を見に行った。  幅の広い汀線が、延々と続く景色は久しぶりだ。根室海峡とは違った海を楽しむことが出来た。  海岸のテンキグサの群落を見ると、クジラ類の椎骨がいくつも転がっている。  まだ歳若い個体のもののように思われた。  衰弱して、海岸に打ち上げられて死んだのか、  死んでから波に運ばれてきたのか、  大型の動物は、骨になってからも目立つ。   まだ死ぬことがなければ、今頃はまだ、太平洋のどこかを遊弋していたであろう。  そう思うと哀れだ。  供養の意味で、骨たちを集め、持ち帰ってきた。
漂着の鯨へ 波のレクイエム 風の祈りと砂の装い

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