2012年10月21日日曜日

ハクチョウとタコブネと

今日は「ハクチョウの日」である。  「ハクチョウの日」とは、僕が勝手に呼んでいるハクチョウの群れが多数渡りをする日のことだ。  11月上旬のよく晴れた日などに最大羽数の渡りが記録されるが、今日はそれよりも早く渡る個体群の集中移動日だったようだ。  一般的なハクチョウの渡りでは、まずシーズン最初に数羽のハクチョウがやって来る。  そんな群れは、道東には数日しか滞在しないで、そそくさと南下することが多い。  いかにも「先兵斥候」という感じの素早く機動的な群れだ。  その後を追うようにやや大きな群れが飛来する。数十羽の単位でその年生まれた幼鳥も含まれている。「斥候」を送り込んできた「先遣隊の本隊」だろうか。  今年は、今月の10日過ぎ頃に「斥候」が到着し、15日過ぎてから「先遣隊」が到着しだした。  今日は、その「先遣隊」の本隊の移動日だったのだろう。20羽~40羽の大きな編隊が、いくつも通り過ぎた。  おそらく今日で、日本にやって来たハクチョウは千を越えたことだろう。  この後、11月上旬に最大の部隊が移動してくることだろう。   ハクチョウが飛び交う風蓮湖の上空を眺めながら、海岸に出て貝殻を拾っていた。家の前のぬかるみに敷きつめようと思って、少しずつ貝殻を拾ってきては撒いているのだ。  波の音を聞きながら拾っていると、芸術的なあるいは幾何学的な構造を持った美しい貝殻があった。調べてみるとアオイガイ(Argonauta argo) という名の軟体動物の殻であるらしい。  通称タコブネ。南の温かい海に生息している。  北からのハクチョウを風が運び、南からのタコブネは海流が運んで来て、ここで出会った、というわけだ。

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