電気自動車のことが話題になっていたが、ニュースを見ていて僕の考えと少し違うな、と感じて、「環境保護」の教科通信にこんな記事を書いた。
電気自動車が発達してきた
温暖化対策として電気自動車の普及が急がれている、とニュースで紹介されていました。
二酸化炭素の排出を減らす有力な選択肢の一つとして注目されていることは、今や誰でも理解していることでしょう。沖縄を中心にレンタカーを電気自動車に置き換える試みなども検討されているといいます。
電気自動車で満足できるか
このこと自体は悪いことだとは思わないのですが、一つ大事なことに注意しておかなければならないのではないかと考えながらこのニュースを見ていました。それは、電気自動車が普及し、化石燃料(ガソリンなどのことネ)を燃やして走る自動車が減ったとしても二酸化炭素の排出量が根本的に激減するのかどうか、厳密な検証をしなければならない、ということです。
それにはいくつかの根拠があります。
① 自動車が使う電気は発電所で作られているので、発電量が増え、火力発電への依存 が増えると二酸化炭素排出量はそれほど減ることにはならない。
② 新たに電気自動車に置き換えるために、自動車の部品の製造や生産のための運搬が活 発になるとその分の二酸化炭素排出量が増加する。
③ 沖縄の場合、観光客が増加すると観光客を沖縄めで輸送のための二酸化炭素排出量が 増加する。
環境問題は見かけだけでは全然ダメ
要するに何を言いたいかというと、ガソリンエンジン車を電気自動車に置き換えると目に見えている部分では二酸化炭素排出量が減る。しかし、社会全体の構造としてどれほど二酸化炭素を削減できるのかは、冷静な検証が必要で、ムードだけが先行することはかえって問題の本質を覆い隠すことになってしまう、ということです。
「環境問題」は、このような複雑な背景をもっていることが多くあり、意識的にそれをカクレミノにして一儲けをたくらむ企業などがあり、僕たちはこれに振り回されないような注意が必要だと思います。
沖縄のレンタカーの問題にしても、観光客が移動する交通手段を「現在と同じ個別のクルマによる」という前提から根本的に変えていく発想が必要なのではないでしょうか。たとえばトロリーバスを走らせるとか鉄道を走らせる、さらに観光のあり方そのもの(つまり文化のあり方ですね)を変えていくような検討が必要ではないでしょうか。
本質に切り込む環境学習
環境問題はもはやムードとか気分では解決できない深刻な段階に達しています。羅臼高校の「環境保護」では、このような本質に切り込む環境学習を常に心がけていきたいものです。
環境問題の本質的な解決は、「今の生活を見直す」ところから始まるのではないでしょうか。今の、「便利すぎる」「快適すぎる」「カッコ良すぎる」生活を検討して、本当に大切なもの、本当に必要なものだけを残し、それ以外の部分は思い切って削り取っていくことが必要です。
個人の生活でも企業の営利活動でも同様だと思います。特に、スケールを考えると企業の「金儲け」の活動は大きく見直す必要が出てくると思います。
社会的な合意の中で「金儲けは善」という価値観を見直すことは急務であるように思います。
個人の生活でも「ちょっと不便に」「ちょっとカッコ悪く」ということも必要になってくると思います。
写真は本日の夕食
ひとりウニ丼
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