2013年2月18日月曜日

沖縄防衛局よ間隙動物を知っているか? もっと自然を畏れよ

突然だが間隙動物をご存じだろうか。  「カンゲキ動物」と読む。すぐ感動して涙を流す動物ではない。 間隙動物とは、「軟体動物」とか「キョク皮動物」というような動物分類学上の単位ではない。簡単に言えば砂浜の砂粒と砂粒の間にできる隙間(間隙)で生活している小動物のことだ。  砂浜砂を掘れば海水がしみ出してくる。その海水を「間隙水」と呼ぶのだが、そのような場所を生活空間として利用しているのが間隙動物だ。  きわめて微小な動物しか生息できないことは自明であり、本来非常に小型の動物もあれば大型の動物の幼生もある。  分類上の所属はさまざまで、緩歩動物(クマムシ類)や外肛動物(コケムシ類)などのように一般にほとんど知られていない「少数派」の生物から、刺胞動物(クラゲやイソギンチャクなど)、軟体動物(貝類)さらにホヤなどの脊索動物も含まれ、20以上の門(分類上でもっとも上位の単位)が記録されている。 その他、繊毛虫類(原生生物)、渦虫類(扁形動物)、 顎口動物、 線虫類(線形動物)、 多毛類(環形動物)、貝形虫類(節足動物)など多様な動物たちがここで生活している。  「一寸」にも満たないこれらの動物たちは、海岸の波打ち際の砂の中で、ひっそりと生まれ、ひっそりと生きている。  海岸を埋め立てたり掘り返したりすれば、そこを生活の場としているこれらおびただしい数の動物たちが黙って殺されてていく。  天然記念物に指定されることもなく、絶滅危惧種のリストに挙げられることもない。  たとえばプラカードに「ナメクジウオを守れ」などとは金輪際書かれることはないだろう。それどころか多くの場合は、「種」としての名前さえ与えられぬまま、だまって地球上から消える。  それはいい。  だが、砂浜が破壊されるとき、これらの動物たちも黙って姿を消すのだということをより多くの人に知ってもらいたい。  沖縄の砂は北海道や内地と異なりサンゴからできている。そのような場所には、また違った独特の間隙動物が生息している。  ある調査では、沖縄の間隙動物の大半が未記載(つまり新種ということ)だったとある。  沖縄防衛局はオスプレイのヘリパッド建設の強行にあたって免罪符的に希少植物の移植を試み、ほとんどを枯死させてしまうという大失態を演じたが、むやみに海岸をほじくり返したり、上陸用舟艇が砂浜を走り回ったりして、間隙動物の大量虐殺をしている事実を何も知るまい。  自然の仕組みを謙虚に読み解き、自然に配慮することのできない者が、いくらポーズだけを作っても足元から崩れていくのである。

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