2009年1月29日木曜日

恐るべきナマズ



 実は、東京の「伊せ喜」で「どぜう丸鍋」を食べた時、同時に「なまず鍋」も食べたのだ。昨年まで羅臼ビジターセンターで働いていたYさんが横浜の実家に帰っていて、今回「ジンガロ」鑑賞に同行してくれたので、そのついでに「伊せ喜」にも付き合ってくれた。そこで、ドジョウとナマズをそれぞれ一人前ずつ注文し、両方味わうことができた、と言うわけである。

 このナマズが、ドジョウに勝とも劣らない美味しいものだった。
 まず、鍋はすき焼き風の味付け。甘辛い醤油の味でやや濃い目の味。ナマズの身は大きめに切られていて、胃や肝臓、卵巣とおぼしき内臓も含まれている。野菜とともにサッと煮て生卵に浸けて食べる。

 ナマズは子どもの頃、たまに川で捕れた。ドジョウやフナなどを捕まえるために川底を網でかき回すのだが、ごく稀にナマズが入ってくる。子どものことだから、獲物の珍しさに応じてランクをつけて分類していた。ナマズは、間違いなくかなり「上位」の方である。もちろん、この「ランク」は僕の育った函館近郊に限ったことであろうけれど。
 そんなナマズが、よそ行きの表情?でお皿に載っていた。もちろん変わり果てた姿で。 
 煮えて、味が染みこんだ頃合いに箸でつまみ上げ、卵を絡ませて口に運んだ。コリコリとしているが柔らかい。第一印象は「フワッとした食感」だった。カジカに似ていないこともないが、身全体が柔らかいという点で、大きく違っているとも感じた。正直なところカジカのよりも美味しく、すき焼き風の味付けに良く合っている。

 食べたのがナマズだっただけにじしんが付いたように感じた、体験でありました。

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