2012年4月4日水曜日

もう「公共放送」とは言えない

今日の読売新聞のweb版14時03分によると、「4日、東北電力の東通原発1号機(青森県)と女川原発1号機(宮城県)の使用済み核燃料貯蔵プールの冷却機能が約20~40分間停止したと発表した。」とある。
 「プールの冷却水を循環させるポンプの電圧が、暴風の影響で低下したのが原因とみられる。
 東通原発は、同日午前6時44分頃、2系統あるポンプのうち一つが電圧低下のため自動停止した。別のポンプを午前7時23分に起動させて冷却機能は復旧した。プールには約600体の使用済み燃料があったが、冷却機能喪失でプールの水の温度上昇はなかった。」(以上 2012年4月4日14時03分 読売新聞より引用)

 NHKの夜7時のニュースを見たが、このことには全く触れていなかった。予想通りと言えば予想通りだが、あまりにもひどい。

 今回の急速に発達した低気圧の被害については、まとまった時間を充てていたが、その中身は、都内の会社は、それぞれ従業員の退勤を早めたり分散したりして、動いている交通機関への集中を避けたことや、風速40メートルを超えた地域で建物が壊れたこと、電柱が倒れたことなどの報道に終始した。
 20本を越える電柱がなぎ倒されている映像などは何度も出てきた。

 あれほどの時間を低気圧の被害報道に割くなら、原子力発電所におけるこのニュースも入れられたはずだ。
 使用済み核燃料の冷却が止まるということが、どんな大変な事故につながるか、今や多くの人が知っているし、それこそが原発の本質的な危険の一つであるのだから、このようなヒヤリとする事故が日常的にあちこちの核施設で起こっている事実を、広く知らせることこそ「丁寧な説明」であり、「国民の理解を深める」ことにつながるのではないか。

 「不安を煽らないように」報道に対して「配慮」し始めることがマスコミの堕落だと知らなければならない。
 戦争中の翼賛報道をみればそれは明らかなはずなのに、その反省のカケラもないのだろうか。NHKでは、ジャーナリストの良心は、死滅してしまったのだろうか。
 もう「公共放送」とは言えない。

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