2012年4月20日金曜日

太陽が地球を冷やす

読売新聞の本日14時26分のニュースでこんな記事を見つけた。

【引用】
   国立天文台などは19日、5月にも太陽の磁場が反転し、北極と南極にN極(プラス磁場)、赤道付近に二つのS極(マイナス磁場)が出現する「4重極構造」に変化するとの予想を発表した。
(中略)
 同天文台の常田佐久教授(太陽物理学)らは、太陽観測衛星「ひので」を使い、磁場データを分析。昨年7月以降、北極の磁場がS極からN極に反転し始めたことを確認した。一方、ほぼ同時に反転するはずの南極はN極のままで変化せず、4重極構造が確実視される状況となった。

 磁場反転の原因は未解明だが、約11年周期の黒点の増減と同期することが知られている。直近の黒点周期は13年近くに延び、北半球の平均気温が0・6度下がった17~18世紀とよく似ている。当時も4重極構造だったと推定されるという。 【引用以上】

ニュースでは、4重極構造になると、過去の例から地球が寒冷化することが、考えられると言っている。
偶然だが昨日書いた17世紀から18世紀にかけての冷涼な気候が続いた時期は、太陽の活動が不活発になっていた時期で、今回の太陽の状態と同じだと考えられているそうだ。

 地球と太陽は1億5千万㎞も離れているのに、太陽の活動と地球気象現象とは、どんな関係があるのだろう。
テーマがあまりのも広大なので、少し整理して考えたい。

 現在の観測結果から、太陽の北極側がS極からN極に変わりつつあり、南極側と同じN極になっていくことは間違いない。だが南極側は、反転せずN極のままであり続けている。
 そうなると今後、赤道付近が反対の極になり4重極構造に向かっていくことは、間違いなさそうだ。

 17~18世紀にかけて、冷涼な気候が続き、北半球では平均気温が0.6℃下がった。

 ちょうどこの時期も太陽活動が不活発で、4重極構造になっていたと推定される。

 太陽活動が不活発になると気候が寒冷化するというは、「定説」としては確立していないが、次のような因果関係で説明されている。

①太陽系外から来る高エネルギー粒子(宇宙線)は、宇宙空間の磁場に沿って地球にやって来る。
 太陽面での爆発現象によって磁場がかく乱されると、宇宙線は進路を曲げられて、地球に到達する線量は減少する。
太陽活動が盛んになると、磁場を伴った太陽風によって宇宙線は散乱され、地球にやって来る宇宙線は減少する。 (これは事実)

 宇宙線は、大気中で霧を発生させる。
(放射線の実証に霧箱を用いて観察する実験をした経験のある人は多いだろう)

②著しく太陽黒点が少ない時期だった17~18世紀に宇宙線が増大していた可能性は大きい。
そのため霧の発生を促し、雲が増え、その結果、地球の平均気温が下がったという推測もできる。
(これは、まだ推測の段階)

 宇宙からやってきた粒子線が大気中でイオンの粒子を盛んに作り出している。これが核となって水は凝結し、小さな水滴や氷の粒になる可能性がある。
 従って宇宙線が増大すれば、理論的には雲量は増大するはず、というのである。
 そして、過去の太陽活動の消長と地球の平均気温の変動は、見事に一致している。
その仕組みや原因は未解明だが、経験的には両者は深い関係を持っているように見てとれる。

 雲の素である水蒸気が凝結するための微粒子は、一般的には空中を漂う塵で、それは人間の活動に伴って出される排気や埃である場合もあるし、火山噴火に伴う火山灰などである場合もある。
 事実18~19世紀末の期間は、アイスランドのラーキ山など世界中で大噴火が連続し、本でも浅間山、岩木山などが噴火している。
 火山噴火が日照量を減らし、冷涼な気候をもたらすことは明白で、この時期に日本では天明の飢饉が起きている。


 地球の気候のような複雑系の解明は、一朝一夕では不可能だろう。まして太陽の活動と気候を関連づけるのは、一見とんでもない飛躍に思える。けれども単なる思い込みや盲信ではなく、観測事実を積み上げた上で推論し、新しい事実をわれわれに教えてもらいたいと思う。

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