2012年11月22日木曜日

ある日

今日は、低気圧の狭間の穏やかな晴れた一日だった。  朝、通勤のために運転する車をずっとどこまでも走らせたい衝動に駆られた。  遠くの山がかぶる雪は、このところの冷え込みで一段と厚みを増したように感じられ、その稜線を見ていると、どういうわけか故人となった友のことが思い出された。 写真家のK  詩人のC  サラリーマンだったU  三人の名前が呪文のように繰り返し繰り返し心に浮かんできた。  今は、「時」によって遠く隔たった彼らに、突然近づいたのは何故だろう。  時空の歪みのようなものがあって、僕らには感じられない第五次元の方角で、彼らのいる世界とすれ違ったのだろうか。  夜、月の周りを真円の「笠」が取り巻いていた。  次の低気圧が近づいている。  彼らの世界が、再び遠ざかるのが、少し心残りだ。

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