2011年8月6日土曜日
岬までの行程で、最後の難所は兜岩だ。
海面から120メートルの高さにせり上がっている瘦せ尾根で、羅臼側からは、樹林帯となっている急な斜面を一気に登る。まあ、普通の登山コース急坂と言える。
問題は、岬側への下りで、垂直に近い岩の割れ目を一息に下るのだが、足下が脆く崩れやすくて、滑り落ちそうになる。
恐怖感に足をすくませる子どもたちを励ましながら下りるわけだ。
そして、ここを下ってしまうと、目的地の知床岬までは、ずっと砂浜が続く。
それまでゴロゴロとした歩き難い石の浜で苦しんだ足には、ありがたい砂浜だが、その距離が長すぎる。
だが、この先は、岬まで緊張を強いられるような場所はない。
そのことを実感しつつ、最後の頑張りへの意志をかためるのがこの赤岩川の休憩地点かも知れない。
ここまで到達するために越えてきた、いくつかの難所のことを思い、岬への旅の終わりを噛みしめるひと時である。
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