2011年10月16日日曜日

晩秋の原野から

午前中、強い風が吹いていた

この風に乗って、冬が近づいてくるのだろうか

原野とそれに隣接する林の中を歩いてみた

あふれるほど飛び回っていた虫たちもほとんどが姿を消した

ひっそりと寒々しい空気に満ちている

同時に、虻や蚊が群がって来ることは、もうない

厳しい寒さが来る前の今が、もっとも快適に原野を歩き回れる季節だ、とも言える 



ヒトの世界にも似たような風景があるような気がした

放射線が満ちあふれた世界で

 「安全です。ただちに健康への被害はありません」

うるさいくらいにこう叫んでいた者たちが沈黙する

 「経済成長のためには、一刻も早く原発を再稼働させなければならない」

しつこく、こう繰り返した者たちが押し黙る

 「脱原発!脱原発!」

粘り強く、こう主張していた者たちの声が遠のく

そして、地上には、誰もいなくなる
 


そうなることが予感されても

生命は自らの子孫を残す営みを続けるのだろう

冬へ向かう林の中のように

2 件のコメント:

  1. 9月初旬に知床へ行きました。
    どこまでも真っ直ぐな道に盛り上がり、たくさんの鹿にもうすぐ4歳の息子は「いいこいいこする!」と車を降りようとし、道路を横切るヒグマにも遭遇するなど、思い出がいっぱいのとても楽しい時間でした。

    あの知床はもう冬がすぐそこなんですね。初雪は降りましたか?
    またそちらの様子を伺えるのを楽しみにしています。

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  2. berryowlさん:
    コメントありがとうございます。

    エゾシカはともかく、ヒグマに出会うことができたのは幸運ですね。
    ただ、本来は、もっとヒトを怖れるはずのヒグマが、割に平気で人間の活動域に接近する事例が増えて、問題になっています。
    事故は、絶対に避けたいものですからね。

    羅臼岳は一度雪を被りましたが、現在は消えています。
    ただ、今夜あたり、強力な寒気が流入するとのことです。明朝にはまた、雪を頂いた山容を望むことができそうです。

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