2011年10月10日月曜日

十勝の温泉でふと思ったこと

 十勝地方北部というのは大雪山地の南麓にあたる。
 然別湖、糠平温泉、ユニ石狩岳、トムラウシ山などがある。
 十勝川水系の源流部だ。

 鹿追町の帰り、トムラウシ温泉へ行く途中のオソウシ温泉という温泉に行ってみることにした。

 台風12号の大雨で、新得町側からオソウシ温泉へ達する道が決壊し、いまだに通行止めになっていた。
 十勝ダムに沿って大きく迂回して行かなければならなかったが、ここまで来て引き返す気にもならず、やや荒れ気味の林道を通って、温泉にたどり着くことができた。

 pH10を越える塩基性の強い湯は透明で、少し硫化水素臭があって、非常に心地よい入り心地だった。
 山奥の林道を分け入って、多くの人がこの温泉を訪ねて来る理由が理解できる。

 近くのトムラウシ温泉ほど有名ではないし、深い山奥の森に囲まれたそれほど規模の大きな温泉ではないことなどが理由で、一度休業に追い込まれて再開されたらしい。

 一方に「温泉ブーム」とか「秘湯ブーム」などがあり、一部の「秘湯」がもてはやされているが、地元で精一杯身体を使って農作業や造林作業を続けてきた人々の疲れを癒し、苦労をねぎらってきた小さな温泉の経営が、圧迫されている現実はおかしいのではないだろうか。

 「温泉好き」や「温泉通」による配慮を欠いた格付けや無責任な評論が、それに追い打ちをかけているのだとすれば、「温泉ブーム」も考え直さなければならないのではないだろうか。

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