2012年1月24日火曜日

波のカドが取れるとき 流氷百話 5/100

「波の角が取れる」という表現は、わかってもらえるだろうか。

 流氷が近づくと海岸では波が小さくなる。同時に、普段、海で見られる三角の尖った波が姿を消し、小さなトロリとしたうねりのような波が打ち寄せるようになる。

 流氷が堤防代わりになって、大きな波が出来なくなることも原因の一つだ。
 同時に海水中に細かな氷の粒が生まれて、海の表面がトロリとてくるのだ。このような状態を「氷泥(ひょうでい)」と言う。
その結果、海水表面の波が丸みを帯びたものになり、海が穏やかになる。

 沖合に流氷が見えていない段階でも、波の角が取れてくると、流氷の接近を感じ取ることができる。

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