2012年1月28日土曜日

漂流する氷 流氷百話 7/100

前回、さまよえる氷群のことを書いたが、考えてみれば、視界いっぱいの海を覆っていても、流氷は流氷で、全てが「彷徨える氷群」なのである。
 結局は、スケールの違いなのである。
 根室海峡では、流入してくる氷と流出していく氷のバランスが取れていて、海峡内には一定の密度の氷しか入らないので、その「彷徨う様子」がよくわかるのだ。

 それに対して、稚内から網走・斜里あたりまでの海岸には、大規模な業群が説がして、ちょっと見た目には、「不動の大地」のような氷原を出現させるのだ。
 しかし、この「大氷原」も、南よりの強風がひとたび吹けば、一晩で離岸して視界から消え去ることもある。
 やっぱり彷徨っているのである。 

 だから英語では「drifting ice」(漂流する氷)と呼ばれる。この呼び方カッコイイと思う。 日本語に置き換えると「漂氷」になるだろう。
 「ヒョーヒョー」では、音としてちょっと良くない。
 やはり「流氷」に落ち着くのかも知れない。

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