2011年11月22日火曜日

小指の怒り

パソコンの「Enter」のキーがへたっていることに最近気づいた。
「『ただちに・・・・』だと?」
 「『冷温停止』だと?」
 「『除染』だと?」
 入力する度につい小指に力を込めて「Enter」を叩く。あまりの怒りで。

 「どれほど憤っても、オマエの怒りなど小指の先の力くらいにしかないのだよ」という嘲りの声が「トーデン」とか「ケーダンレン」などから聞こえてくるような気がするが。

 東京電力福島第一発電所の3号機で、20日に1600mSv/hの放射線量が記録されたという。
 この値は過去最高だったと言われているが、マスコミに大きく取り上げられた記憶はない。
 その一方で、「年内に冷温停止」をに到達するという政府や東電の意気込みだけは大きく報道された印象がある。
 これによって、多くの人が、
「原発事故はもう終息。あとは除染してヒトが住めるようになるだけ」という根拠のない安心感を持つよう、誘導され、原発事故は過去のものになる。

 事故が直後も「ただちに健康に影響はない」が繰り返され、放射能への真面目な対策よりも世論の沈静化が優先された。

 言葉を弄ぶのはもう止めるべきだ。

 太平洋戦争で形勢が不利になっても「退却」と言わずに「転進」、
 ボロ負けしても「敗戦」ではなく「終戦」と言い張る。
 何か大きな問題が起きても「課題」と言い換える。

 営業終了の後片付けをしているのに「準備中」という表示を出す。
人権を踏みにじるような差別をしても「区別だ」と強弁する。
 
 これほど言葉を軽んじた人々が、今までいただろうか。
 これほど言葉をねじ曲げた国は、今まであっただろうか。

言葉を冒涜した人々は、言葉によって滅びるに違いない。
 あたかも、マクベスが二重の意味を持つ魔女の予言で破滅したように。

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