2011年11月18日金曜日

カニムシとの出会い


「カニムシ」って聞いたことありますか?
「蟹蒸し」=カニを丸ごと一匹蒸した料理・・・ではありません。それは「蒸し蟹」。

「セッソクドーブツ門 シュケイ綱 ギケツ目」漢字で書くと「節足動物門クモ形綱擬蠍目」と小難しく分類されている。

 「擬蠍」つまりニセモノのサソリだ。
 主に土壌中で暮らす陸生小動物で世界に23科3300種。日本には9科に約70種が記録されている。

 体長2ミリメートルほど。鋏の付いた腕を思い切り広げていて、凶暴そうに見えるけど、あれは実は腕ではなく、触肢だ。触肢とは、昆虫や蜘蛛などの口の周りにあるひげ。味や食感?などで食べられるかどうか判断するための感覚器感だ。
 人間でいえば舌や唇に近い働きをしている。

 この派手な
「いつでもやってやろうじゃないか。来るなら来てみやがれ!べらぼーメッ!」というポーズは、ほとんどの虫が地味で、ひっそり生きている土壌動物たちの中では、とても目立つ。顕微鏡下の人気者である。
 ただし、本人?は、いたって臆病だ。驚くとこのポーズのまま後ずさりして逃げ回る。見かけと性格がかけ離れているタイプ。

ただし、カニムシは肉食で、自分と同じくらいの大きさのトビムシをその鋏で抑えつけて食べる。そう考えれば、やっぱりミクロの世界の凶暴肉食動物である。

 カニムシは、自然度の高い環境でしか生きられないと言われていて、環境の豊かさを測る指標にも使われている。


 普段注意を払うことの少ない土壌動物の世界では、ひっそりと、しかし、しぶとく生きている生き物がたくさんあ。そこにも食べる・食べられるの関係、助け合う関係、利用しあう関係などがり、サバンナの動物たちと変わらない世界がある。

 放射能をまき散らして土壌を汚染する。
 「ジョセン、ジョセン」と大騒ぎしつつ表土を取り除きあちこちに動かしたり捨てたりする。
 ニンゲンの身勝手な振る舞いに、抗議することもできない小さな生き物たちは、いったいどんな思いで、この間の愚行を見つめているのだろう?

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