青函トンネルが開通し、青函連絡船が廃止になったとき、
「ちょっと待て」と思ったことがあった。
たしかに、あれだけ大きな船を動ける状態で維持するのは大変な経費がかかり、実際には不可能なことだったのだろう。
だが、北海道と本州の物流を一本のトンネルを通る鉄道だけに頼るのは危険じゃないかな、と思ったのだ。
世の中にはソロバンだけでは決められないことがあると、ずっと思い続けている。ソロバンだけで物事を見るニンゲンが大嫌いな性分なのだ。
今回、地震被災地へ貨物列車を走らせるために、全国の機関区で余っているディーゼル機関車「DD51」を集めて磐越西線経由で郡山まで貨物列車を運行し始めているという。
ディーゼル機関車だから非電化区間でもかまわない。
DD51は、1962年から1978年にかけて造られた機関車で、蒸気機関車に取って代わった機関車で、良い印象は持てなかった。それに中央に運転室がある「入れ替え機型」の地味なデザインで、登場した頃、僕は悪口を言っていたものだ。
しかし、40年以上の歳月を経て今よみがえり被災地のために働く姿はりりしい。
やっぱり保存しておいて良かったなあと思う。
こういう経費は必要なのだ。
莫大な建設費をかけ、廃棄物の水一滴、作業に使った長靴一足さえ、膨大な経費をかけて放射性廃棄物として管理しなければならない原子力発電。
今また、「事故」を治めるためにどれほど経費がかかるか、いまだに見当もつかない原子力発電。
これこそ金の無駄遣いの最たるものではないのか。
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