キミは、知床五湖の喧噪を賑やかというのか?
クルマの排気ガスが濃く漂い
ガヤガヤと声高に話しながら歩く
観光客の列が途切れることなく続く
駐車場に入りきれないクルマ列をなす
あの静謐はどこへ行った?
あの輝いていた「地の涯て」のシンボルはどこへ消えた?
そして、いま
五湖を貪りつくした欲望は
次の獲物として羅臼湖を狙っている
いったい何万本の
可憐な花を踏みつければいいのか
山中に都市の便利さを求める人たちを
何十万人集めれば満足するのだ
「自然の景観を楽しみに来る人たちを
親切に迎えたい。
その人々の必要とするものをそろえたい。
ただそれだけだ。
自然を壊す気は無いんだ。
そして、もっともっとこの町を
繁栄させたい
潤わせたい。」と
キミはそう言ったね
大音量の歌が流れることが
都会の商店街を歩くときと
同じ服装の人々が
花や樹や鳥や虫に
何の関心も示さず
大声で、
女優の離婚の話や
おいしいラーメンの話などをしながら
ただ、「訪れる」ことを目的に訪れるような観光地を
キミは本当の観光地と思うか?
自然から切り離されて
十数万年生きてきた
人間の過去と未来を思いながら
野の花に心を寄せ
鳥の歌に耳を傾け
チョウやトンボの舞に見とれて
静寂に包まれた中を静かに歩く
そして、
いつまでもここがそんな場所であるために
払われている注意や努力に思いをいたし
この場所が
これからもずっとこのままであるようにという望みを
あらためて心に抱いて帰って行く
羅臼湖は
そんな場所であるべきじゃないのか
以上、エコツーリズム協議会
第二回羅臼湖会合に出席して心に浮かんだことです。
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