2011年7月6日水曜日

花に埋もれて暮れゆく野付で






 久しぶりに野付半島を訪ねた。
 退勤時間を過ぎてから始まる会議があったので出発が遅れ、野付に着いたのは午後6時過ぎだった。
 夕陽は、すでの西の山に近づきつつあった。

 野付半島は急速に沈降しつつある岩盤に乗っていて、やがて海底に沈んでしまうと言われている。
 沈みゆく大地へのレクイエムのように、毎年多くの種類の花が咲き、美しい風景を見せてくれる。

 エゾゼンテイカ、ハマエンドウ、ヒオウギアヤメ、ハマナス、センダイハギなどなど。 派手で華麗な花々に混じって、道ばたにハマハタザオが花をつけ始めていた。
 草丈が低く、目立つ花ではないけれど、地面からスッと立ち上がった姿は正に旗竿である。
 どんな旗が掲げられるのだろう?

 自然を汚す者
 強欲な者
 真実を隠そうとする者
 弱い者に強く出て、強い者にはへつらう者

 そんな自然の摂理を無視する者への抗議を突きつける旗が掲げられることだろう。
 こんなふうに、ひとりひとりの声は小さいかも知れないが、それはいつか必ず大きなうねりとなって、不正をはたらく権力を追いつめることになるだろう。

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