2011年7月16日土曜日

オホーツクの風




 久しぶりにオホーツクの風に吹かれてきた。
 知床半島はオホーツク海に突き出ているから、知床に吹く風は「オホーツクの風」なのだけれども、1000メートルを超す山々や深い山林を越えて吹く風は、僕のイメージにある「オホーツクの風」とはやや異なる気がする。(勝手な印象だが)

 海岸の砂丘を挟んで海と湖が分かたれ、エゾスカシユリ、ハマナス、エゾキスゲ、ノハナショウブなどの花の色が、絵の具を混ぜ合わせたパレットのように散りばめられた海岸草原の上を吹き渡る風が「オホーツクの風」のように感じる。

 何年かぶりに、今日は、その濤沸湖に沿って広がる原生花園を歩いてきた。

 懐旧の情を満面に浮かべて集まって来るヒトスジシマカさえもが懐かしく感じられた。

 例えば野付半島に代表される根室側の原生花園も文句なく良い所であるが、僕自身のきわめて個人的な体験に依る、「オホーツクの初夏」は、やっぱりこの場所のエゾキスゲ群落にあるのだということを自覚させられた。

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