2011年7月21日木曜日

30億年かけて完成された防御機構

台風の余波だろうか。
 北西の風が強く、海が荒れ気味だった。
 天気は快晴に近く、日差しがあるので、この地方にしては気温が高い。
 ある意味では夏らしくない。初秋のような感じだ。

 今朝、出勤時にラジオを聴いていた。
 「夏休みこども科学電話相談」。毎年、夏になるとこの番組を楽しみにしている。

 「野菜の花はどうして黄色いものが多いのですか?」という質問が幼稚園児から寄せられていた。

 回答者:
 「花は、花粉を運んでくれる昆虫にアピールするために、どれも目立つ色になっているけれど、 黄色い色は有害な紫外線をはね返すから特に多いのです」

 質問した仔は、鋭い観察力で、
 「花粉が黄色いのも同じ理由ですか」と質問を重ねた。やるう!
 もちろんその通りだった。

 紫外線はDNAを傷つける。花弁や花粉が黄色にして、多くの紫外線を反射させる、とは解説されなかったけれど、そういうことなのだと納得できた。

 陸上の生物は、進化の過程で海から上がってきた時、濃い酸素や強い重力への適応を迫られると同時に強い紫外線から遺伝子を守るための仕組みを進化させる必要があった。

 紫外線は電磁波だ。
 放射線の中にも有害な電磁波がある。
 X線やガンマ線だ。
 内部被曝が問題なのは、放射線源が体内に取り込まれ、そこから遺伝子を傷つける放射線を出し続けるからだ。

 生物が紫外線を防御する仕組みを獲得するまでに、おそらく何百万年、何千万年もの時を要したことだろう。

 そのような長い時を置かず、いきなり強力な放射線に曝される危険をどれだけの人が真剣に心配しているだろう。

 今になっても原子力発電にしがみついている人々は、生物が長い長い進化の過程で、放射線や紫外線(同じようなものだが)からの防御機構を発達させてきた事実を全然考えていないのではないだろうか。
 非常に冒険心が強いか、危険に対して鈍感か、どちらかだ

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