2013年5月27日月曜日
よって立つウトロと羅臼
5月26日(日)
昨日からウトロと斜里を放浪している。
知床財団の評議員会と知床大学院大学設立財団の理事会とが連続したためだ。
AFANと一緒の「旅」だ。
昨夜は、懇親会の酔いもあって、自分の部屋に戻らず車の中でAFANと一緒に眠った。
昨日から気になっていることだが、ウトロ市街地に全然にぎわいが見られない。観光客はチラホラとは見かけるが、毎年の風景である団体客を乗せた大型バスが少ない。
マスツアーの団体がゾロゾロと集団で歩いている図は、個人的にはあまり好きではない。こんな落ち着いた雰囲気ならウトロの夏は最高だ、などと思ったが、観光に頼って生活している人々にとっては、大きな傷手であろう。多くの土産物店、食堂など閉店している店も少なくない。町に活気がないと感じるのはそのせいもあるだろう。
原因は明らかだ。知床峠の冬季閉鎖がまだ続いているからだ。
例年なら5月上旬には開く。早い時には大型連休前に開通することもある。今年も最初は、その予定だった。予定が狂ったのは連休中に大雪が降ったためだ。平地でも数十センチ積もったというから山の積雪はもっと多かったのだろう。おまけに雪崩があったという話も聞いている。
開通に向けて着々と進められていた除雪作業も振り出しに戻ってしまったというわけだ。
斜里町ウトロ地区と羅臼町は、知床半島を挟んでほぼ同じ位置にある。二十数キロの峠を越えれば片道30分程度で行き来できる。そこが通れないとなると半島の基部を迂回して120キロくらいの道のりになる。2時間と少々かかる。
この二つの地域は、何かというと比較され、反目し合うというほどではなくても対抗意識から対立するような事もあった。
知床峠が利用できると、団体客のツアーは、ウトロを観光し、峠を越えて羅臼側で海産物などを買い求め、釧路湿原や阿寒へ向かうというのが「黄金のルート」のようだ。
峠が閉鎖されていると、ウトロを訪れても同じ道を戻らなければならない。そのためキャンセルやコースの変更で団体客が激減しているのだろう。
今回の事態は、特に観光業にとって、「羅臼あってのウトロ、ウトロあっての羅臼」であることを実感させてくれた。
知床は一つなのである。
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