2013年5月23日木曜日

 はじめに断っておくがこれは決して個人的非難や攻撃ではない。  先日ある会合の席で小学校低学年を担当する先生と話す機会があった。  以前から気になっていたことだが、低学年向けの「せいかつ科」などの教科書に載っている生物の種類が北海道には生息していないものが多すぎることを指摘した。たとえばある教科書には、「はるのなかまたち」としてクマバチ、ヤマトシジミ、タガメなどが載っている。  日本の自然は多様性に富んでいるからそのこと自体は構わないと思うのだが、地方の教育では、そのような教科書の記述を補う資料または副教科書のようなもので、この地方特有の生物相について、取り上げておくべきではないか、という意見を僕が述べた。  それに対して、その先生は、わざわざ副教科書のようなものを作らなくても、ビデオなどで教科書に載っている生き物を見せればそれで良いのではないか、と反論した。  ちょっと驚いた。  いや、正直に言うとものすごく驚いた。開いた口がふさがらないほど驚いた。  そして、この先生ご自身も、おそらく生き物に触れる経験を十分に持てないまま、教師になったのではないだろうかと考えた。そのような環境で成長されたのかもしれない。  あらためて自然体験の重要性を感じた一瞬だった。  そんな思いを抱きながら今日の羅臼高校2学年「野外観察」の生徒を学校から少し離れた牧草地に連れて行った。途中の渓流の景色を楽しんで、広大な牧草地に着いた。記念写真を撮るのにも大はしゃぎをしている。しまいには鬼ごっこをやり始める。  うん。体験させる教育が、人間の成長には絶対に欠かせない。  いつの日か、冒頭の発言をした先生にも生の自然を感じとってもらいたい。  本ブログはまもなく以下のブログに移動します。 http://blog.livedoor.jp/kirinoyura/

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