2011年5月17日火曜日

エゾシカたちのジレンマ

 羅臼町で春のエゾシカ有害駆除が始まった。
 羅臼町内の唯一の農家地区である峯浜地区を中心に牧草地を食害するエゾシカの数をコントロールすることが目的だ。

 牧草地は広く、何百メートルも見通しがきくので、エゾシカ気づかれないように近づくのは難しい。
 シカたちは、人の姿を見つけると一目散に逃げていく。

 ところが、日没を過ぎるとシカたちの動きが変わる。
 人間を見ても逃げないのだ。

 日没過ぎには発砲できないことを知っているようだ。

 それとも明るいうちに出てくるシカたちが先に倒されて、日没後に採餌する行動パターンの個体群が残ったのだろうか。
 有害駆除が行われるようになって、まだそれほど期間が経っていないから、そんなことはないと思うが。

 いずれにしても、およそ100年前にエゾオオカミを滅ぼしてしまったツケを今になった我々が払わせられているのだ。
 そしてこれからもしばらくは、払い続けなければなるまい。

 原子力発電所の事故は、環境に計り知れない影響を与えている。
 その結果について、現段階では誰も予測できないのだという。

 エゾシカ問題と同じように、このツケもわれわれの子孫が払うことになる。
 大変な負の遺産を、今、われわれは残しつつある。

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