昨日、羅臼高校で生徒たちがスクーバダイビング講習を受けた。今年度から「海洋生物」の中にスクーバダイビングの実習を採り入れることにした。その第一回の講習だった。 それを一緒に聴いて思った事。
ダイバーは、浮力を調整するためにエアタンクからBCジャケットやドライスーツの内部に空気を送ったり抜いたりする操作を頻繁にするのだそうだ。
水中で浮きも沈みもしない浮力を「中性浮力」と言うのだが、それを維持するために、背中に200気圧に圧縮した空気を詰めたタンクを背負い、BCジャケットを着け、足には足ひれ、手にはグローブ、etc.
機材の総重量は20kgにもなる。
ニンゲンはこんな大がかりな装置を使わなければ水中で行動できないのかと、あらためて思った。
魚類は、生まれながら自分の体に備わった器官で、いとも簡単に中生浮力を維持している。魚類だけでなくイルカ、クジラなどの海棲哺乳類もだ。
鳥の中にも、空を飛ぶための軽い体でありながら、数十メートル潜水する者もいる。
これらの動物たちに比べたらニンゲンの身体能力は、本当に情けないものだ。
ちょっとくらい火や電気や原子力を使えるからと言って、威張れるものではないと、つくづく思った。
そして、言うまでもなく、われわれはそれらを完全に使いこなせているわけではない。
動物たちは何も言わない。
けっして諫めない。
だが、もし動物たちがものを言えたら
空気を汚し、土を汚し、水を汚し続けているわれわれニンゲンに対して、厳しい非難を浴びせるに違いない。
いまだに原子力発電に固執している愚かな人々は、動物たちの瞳をまともに見ることができるだろうか。
アタマを冷やしてよく考えてみるがいい。
そう、「考える」ことだけは、ニンゲンに与えられた数少ない優れた力なのだから。
考えることが出来なくなったら、それこそ、なんの値打ちも無いのかも知れない。
2011年6月17日金曜日
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